急変対応と、終わらない記録。
それをようやく終えて、疲れ切って帰宅した。
同期は当たり前のように働いているのに、自分だけがついていけない気がする。
ベッドに座ったまま、ふと考えてしまう。
「急性期が合わないのは、私だけなのかな」
「私、看護師に向いていないのかな」
そんな気持ちで、スマホを手に取ったのではないでしょうか。
急性期が合わないと感じることは、決して珍しいことではありません。
それは、あなたの能力不足ではなく、環境との相性が原因かもしれないのです。
この記事では、その違和感の正体を一緒に整理しながら、今のあなたにどんな選択肢があるのかを考えていきます。
急性期が合わないと感じるたび、自分だけが続けられない気がしてしまう
「合わない」と感じるたびに、心のどこかで自分を責めていませんか。
周りは普通にこなしているように見えるのに、自分だけが取り残されている気がする。
その孤独感を、まずは言葉にしてみましょう。
同期は普通に働いているのに、自分だけが取り残される
申し送りのとき、同期はテキパキと状況を報告している。
自分は情報を整理するだけで精一杯で、余裕がない。
休憩室で交わされる何気ない会話にも、うまく入れない日がある。
「みんな平気そうなのに、なぜ自分だけこんなにつらいんだろう」
そう思うたびに、自分の能力を疑ってしまう。
でもそれは、あなたの努力が足りないからではないかもしれません。
「急性期が合わない私は看護師に向いていない」と思ってしまう
「急性期についていけない」という事実が、いつの間にか「看護師に向いていない」という結論にすり替わっていませんか。
環境が合わないだけなのに、自分の存在そのものを否定してしまう。
その苦しさは、真面目に向き合ってきた人ほど強く感じるものです。
でも、環境と適性は、本来別々のものとして考えていいはずです。
急性期が合わないことで、「看護師そのものに向いていないのでは」と自分を責めてしまう人は、こちらの記事も参考になります。
→ 急性期が向いてない…「看護師に向いてない」と自分を責めてしまうあなたへ
急性期が合わないと感じるのは、能力不足だけが理由ではありません
「私だけがおかしいわけじゃなかったんだ」と、少し安心できたでしょうか。
その理由は、急性期という環境そのものに、合う・合わないが分かれやすい特徴があるからです。
急性期病棟は、合う・合わないが分かれやすい環境
まずは、その理由から見ていきましょう。
常に状況が変化し、瞬時の判断が求められる急性期。
スピード重視の環境で力を発揮できる人もいれば、じっくり患者さんと向き合いたい人もいます。
どちらが優れているという話ではなく、単純に得意な環境が違うだけです。
急性期のスピード感に苦しさを感じるのは、ごく自然なことなのです。
周りについていけず、「私だけできない」と感じている人は、こちらの記事も参考になります。
→ 急性期についていけない…「私だけできない」と自分を責めてしまう看護師さんへ
「環境との相性」と「看護師としての適性」は別の問題
急性期が合わないからといって、看護師としての適性がないわけではありません。
慢性期、外来、クリニックなど、看護師が活躍できる場所はいくつもあります。
「この環境が合わない」ことと、「看護師に向いていない」ことは、本来まったく別の問題です。
その違いを、ここで一度切り分けてみてください。
急性期が合わないと分かっていても離れられない理由
「合わない」と気づいていても、離れる決断ができない。
それは、あなたの意志が弱いからではありません。
いくつかの理由が、あなたを今の場所に留めているのです。
「3年は続けるべき」という思い込みが自分を苦しめる
「看護師は最低3年は続けるべき」
そんな言葉を、どこかで聞いたことがあるかもしれません。
いつの間にかそれが自分のルールになり、途中で離れることに罪悪感を覚えてしまう。
でも、その「3年」は誰かが決めた目安であって、あなたの人生を縛るものではありません。
自分に合わない環境で無理を続けることが、必ずしも成長につながるとは限らないのです。
「まだ3年経っていないから離れられない」と悩んでいる人は、こちらの記事も参考になります。
→ 急性期で新人のまま辞めたい…「続けなきゃ」と自分を追い込んでいるあなたへ
人手不足や罪悪感で環境を変える決断ができない
「私が抜けたら、周りに迷惑がかかる」
そう思うと、自分のつらさよりも周囲への申し訳なさが先に立ってしまう。
さらに、奨学金や生活の不安が、決断をより難しくしていることもあります。
でも、あなたが無理をし続けることでしか成り立たない職場だとしたら、それはあなた一人が背負う問題ではありません。
急性期が合わないまま無理を続けると、自分を責める毎日が終わらなくなる
「もう少し頑張れば慣れるはず」
そう自分に言い聞かせて、無理を続けていませんか。
その状態が続くと、自信そのものを失ってしまうことがあります。
無理を続けるほど、自信まで失ってしまう
うまくできない自分を責め、失敗するたびに「やっぱり自分はだめだ」と感じてしまう。
その繰り返しは、少しずつ自己肯定感を削っていきます。
「合わない環境で頑張り続けること」が、いつの間にか「自分には価値がない」という思い込みに変わってしまうこともあるのです。
「看護師そのものが向いていない」と思い込まないでほしい
急性期でうまくいかないことと、看護師という仕事全体に向いていないことは、まったく別の話です。
急性期では苦しかった人が、慢性期や外来へ移って「やっと自分らしく働けた」と感じるケースも少なくありません。
今のつらさを、看護師という仕事そのものへの評価にしないでほしいのです。
急性期が合わないと感じたときに考えたい3つの選択肢
ここまで読んで、「じゃあ私はどうすればいいんだろう」と、少し気持ちが落ち着いてきた人もいるかもしれません。
大切なのは、今すぐ辞めるか続けるかの二択で考えないことです。
自分に合った選択肢を、冷静に比較してみましょう。
今の職場に残る場合
メリットは、慣れた環境や人間関係を維持しながら、経験を積み続けられることです。
デメリットは、根本的な違和感が解消されないまま働き続けることになる可能性がある点です。
上司や環境との相談で改善の見込みがある場合には、検討する価値がある選択肢です。
部署異動・働き方変更をする場合
メリットは、病院を辞めずに、自分に合う働き方へ変えられる可能性があることです。
デメリットは、希望どおりに異動できるとは限らない点です。
慢性期や外来など、急性期以外の部署に興味がある人には向いている選択です。
環境を変える場合
メリットは、自分に合う職場に出会える可能性があることです。
デメリットは、新しい環境に慣れるまでに、一定の時間と労力がかかることです。
転職だけを勧めるものではなく、まずは自分に合う職場があるかを知ることから始める選択肢として考えてみてください。
今の職場で違和感が積み重なっていると感じる人には、検討する価値があります。
どれが正解ということはありません。
大切なのは、選択肢を知った上で、自分自身で選ぶことです。
環境を変えたい気持ちはあるけれど、辞めた後のことが不安で動けない人は、こちらの記事も参考になります。
→ 看護師を辞めた後が不安…「辞めたいのに動けない」あなたへ
まずは、自分に合う環境を知ることから
急性期が合わないからといって、今すぐ辞める必要はありません。
まずは自分に合う働き方や職場があるのかを知るだけでも、気持ちは少し軽くなります。
他の働き方を知るだけでもいいのです。
今すぐ転職しなくても大丈夫です。
求人を見るだけでも構いません。まずは選択肢を知ることから始めてみてください。
まとめ
急性期が合わないと感じることは、能力不足の証明ではありません。
自分を責め続ける前に、まずはそのことを思い出してください。
急性期が合わないことと、看護師としての価値は別です
環境が合わなかっただけで、あなたの看護師としての価値が下がるわけではありません。
これまで頑張ってきたことは、事実としてちゃんと残っています。
自分に合う環境を知ることは逃げではありません
今すぐ何かを決めなくても大丈夫です。
自分に合う環境を知ろうとすることは、逃げではなく、前へ進むための一歩です。
あなたに合う働き方は、きっとどこかにあります。

